2022/01/28 01:40

夜の街と呼ばれる新宿歌舞伎町に到着したのは
午後四時十八分。

何となく凄みのあるその街並みは、
一方を見れば、狭い路地に古びた建物、今にも崩れそうな階段。
また一方を振り返れば綺麗で新しい看板が光るお洒落な、、、正直なんなのか分からない店らしきもの。

東北の田舎町で人生のほとんどを過ごしてきた僕は、
「社会の落差を極端に表してる感じがするなぁ」と、久しぶりに踏み入れた東京に海外旅行にでも来た気分で荷物を降ろした。

いつもであれば共に旅をしている香(かおり)と一緒にライブ会場へ向かうのだが、流石に大都会。

あまりの駐車場料金に、これは無理だと判断してライブ終わりまで中心地から少し離れた場所で待ってもらうことにした。

カオスな雑踏に大きな荷物を手に一人ぼっち。

16年前に、
訳もわからず行った、インドの空気に似た感触を楽しみながら、今夜のライブ会場を探し始めた。